日本海軍・大阪商船 特設巡洋艦「愛国丸」(1/700 ピットロード)
IJN/OSK auxiliary cruiser Aikokumaru (Pitroad)

IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru

参考文献・写真出展:KKベストセラーズ「日本海軍全艦艇史」
     光人社「写真日本の軍艦」 小艦艇
     大日本絵画 岩重多四郎著 「戦時輸送船ビジュアルガイド」
Reffernce and picture are from:KK best sellers "history of all IJN vessels"
Kojinsha"Pictures of japanese warships"
Dainihon kaiga "Visual guide of merchant ships under WW2" by Tashiro Iwashige

 自分にとって初めての、船のレジンキャストキットでした。
 最初は商船時代を再現しようと思ったのですが、独特の迷彩の資料があったのと、そもそも商船時代の写真が1枚しかないので、 、呉工廠で仮装巡洋艦として竣工した当時の姿にしてみました。
This Aikokumaru was my very first resin kit.
I first made mind to make it as a merchant ship, but because I got good pictures of dazzle painting, I decided to make the ship as auxiliary cruiser.
I know only one picture of Aikokumaru, when it was completed as a merchant ship.
<迷彩塗装>
 日本海軍は組織的に艦艇の迷彩を研究したことはなく、あくまで現場レベルの判断で迷彩を行っていました。
 本船のダズル迷彩も同様で、この細かい迷彩はこの「愛国丸」「報国丸」独特のものでした(福井静夫さんいわく「細かすぎて迷彩効果が 薄かった」そうですが)。

Aikokumaru and her sister, Houkokumaru were painted in identicle dazzle painting, because IJN had no clear standerd method of ships camoflage till 1944.
Both ship were painted in Kure,s naval base, and Aikokumaru was repainted over in single gray on october to december 1943(picture taken at Singapore, 25th dec.1943 shows Aikokumaru painted in gray, only funnel was paited in white).
<愛国丸・報国丸の差異 Deffernce between Aikoku and Houkokumaru>
昭和17年5月ごろ、ペナンに入港した「愛国丸」IJN/OSK Aikokumaru
「報国丸」とされてきた写真。しかしベンチレーターとマストトップに注目 IJN/OSK Aikokumaru
「報国丸」とされていた写真に、画像処理でコントラスト調整した写真。IJN/OSK Aikokumaru
オリジナルのキャプションには「報国丸」とある、偽煙突を装備した姿。昭和17年9月18日、福井静夫撮影IJN/OSK Aikokumaru
「愛国丸」とされていた写真、しかしマストトップが違うIJN/OSK Aikokumaru
「報国丸」なき後、通常のグレー迷彩になった「愛国丸」IJN/OSK Aikokumaru

 ところで、マストを組もうとする段階で気がついたのですが、「戦時輸送船ビジュアルガイド」でも岩重さんが「『愛国丸』と『報国丸』の写真の 撮り違いがある」という指摘がありました。
 ではどこが違うのかをまず確認するためには、確実にこの船はこれだ、と判断できる写真がないといけません。
 検討したところ、竣工時の写真、ペナンに入港した際の愛国丸、そして報国丸なきあと、グレー塗装にされた「愛国丸」の写真は確実に「愛国丸」で あると判断でき、「報国丸」は竣工時の写真が確実にそれだと断定できました。ただし、竣工時のマスト形状は変更されているのであてになりません。
 これらの写真を検討すると、
@愛国丸は煙突の後ろのベンチレーターがキセル型、報国丸はきのこ型
A愛国丸の1番・4番マストトップは低く、報国丸は高い
という差異をみつけることができました。
 この差異を基にして写真を検討したところ、「愛国丸」は左舷側にシアーラインを模した線が描かれており、報国丸は右舷側にそのラインが描かれて いたようです。ここからも、「愛国丸」「報国丸」の写真の差異をみつけることができました。
 ただ、残念ながら「愛国丸」右舷側の迷彩はかろうじて明暗がわかる程度で、中間のグレー色の部位がちょっとわからないので左舷側を参考に しています。

While building its mast, I found out that some pictures supposed to be "aikokumaru" and "houkokumaru" where taken wrong.
That was also suggested on Mr. Iwashige,s book, I had to find out which ship is which by myself.
There are clear picture of both vessel when it was just completed, but length of masts are changed just after the picture was taken.
Compareing and considering some pictures which are clearly confirmed as Aikokumaru,which did not sink on 1943, following defference emerged.
1.Aikokumaru,s ventilator on back of funnel are bowed pipes, Houkokumaru,s ventilators are mashroom shape.
2.Aikokumaru,s 1st and 4th mast are short, Houkokumaru,s are long.
Camoflage painting were also deffernt. Aikokumaru had fale sheer lines on portside, and Houkokumaru had it on starboad.
I found Aikokumaru,s duzzle painting on starboad, but it was not clear. so I guessed some dark painting were "very dark " and "dark gray"

<船首>
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru

 船首にある円形の砲座は、接近した写真を見てもブルワークなのか手すりにキャンバスをはったものなのかわかりませんでした。
 船首付近のシアーラインを模した迷彩はマスキングがちょっと骨でした。


I could not find out if the gun was turret was surrounded by bulwark or handrail with canvas.


<船体>
 船体は反りもなく、側面のモールドもシャープで、ブルワークも薄く、さすがはレジンキットだとおもいました。
 鉄板の継ぎ目だけ、デザインナイフで彫っています。

The resin kit from Pitrad had very thin and sharp mold and bulwark.
I only add seems on the body by knife.


<船尾>
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru

 船尾には、元はボートが置かれていましたがこれが撤去されているのが「報国丸」の写真で確認できます。
 他の徴用船の場合、ドッキングブリッジ自体を撤去しているものもありましたが、どうやら本船のそれは残っているように見えます。
 特設砲座の後ろにも、なにやら構造物(兵員待機所兼砲弾置き場?)が見えるので、プラ材で追加しています。
 4番マスト上の信号灯は写真では確認できませんでしたが、あったと推定して取り付けています。

 
Boats on aft boat deck is confirmed to be removed.docking bridge seems to be ramaining.
I add structure on back of aft gun. maybe it was bullet chanber.
Signal light on the 4th mast is not confirmed on picture, but I guess it were on it.

<船橋>
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru

 複数の部品で構成された船橋も見事でした。
 フライングブリッジデッキは、創建当時はてすりはみられませんでしたが、機銃座が増設に伴い人が行き来するようになったためか、ここに手すり ないしブルワークが増設され、迷彩塗装がされているのが写真で確認できます。

There were no handrails on the top of flying bridge deck when she was first completed.but picture taken at Penang shows there is bulwark or handrail with canvas, painted in camo.


<兵装>
14cm砲は前後の目立つ砲だけテーパーのついたクリッパー社製砲身を使い、あとは0.5mm真鍮線で砲身を造っています。  船橋トップの連装機銃は、ファインモールドのエッチング製です。
53cm連装魚雷発射管は、2006年ごろ発売の吹雪型のあまりを使っています。

<飛行機甲板>
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru

 創建当時の図面・写真と比較すると、3番と4番デリック基部の間に飛行機を載せるためと思われるデッキが追加されています。
 ここは一旦瞬間接着剤で埋めて、パテで段差を出来るだけ埋めましたが、ブルワークが邪魔で整形がたいへんでした。
 問題なのは、キットのままではここに2機の水偵を置くことができないことでした。
 写真をよく見てみると、4番船庫の上になにやら構造物があり、その上に水偵を載せていたようです。
 船庫をつぶすとも思えないので、おそらく庫口を覆うような形の構造物があったと思われるので、プラ板で覆いを設けてその上に飛行機を載せています。
 尚、キットには1機しか水偵がついていませんでしたので、WL共通部品の水偵を2機製作して載せています。
 航空機と砲の搭載に際して、デリックもすべて交換、長さも変更になっているため、説明書の指示はあてになりませんでした。
 具体的な長さは、写真から判断してとりつけています。


There seems to be new deck were add between 3rd and 4th mast, due to use aircraft.
3rd ships, chanber seems to be covered to instal aircraft on.
Almost all length of delicks are changed due to carriage of aircrafts and guns.

大阪商船つながりで「あるぜんちな丸」「ぶら志る丸」と並べてみました。
together with OSK Argentina maru and Brazil maru.
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru
IJN/OSK Aikokumaru

<製作工程>
初のレジンキットだったので、製作工程をのせてみます。
まずは離型剤がついているのでよく洗浄。あとでまた窓の部分に油が残っていて水性塗料をはじいいていたので、かなり入念に洗ったほうがいいです。
フィッティング中IJN/OSK Aikokumaru

 船体はよかったのですが、デッキはほぼ全部が曲がっていました。お湯につけて曲げて修正しました。
段差IJN/OSK Aikokumaru

大きなすきまと段差がみられたので、パテで埋めて修正しています。
甲板のグラデーション塗装中IJN/OSK Aikokumaru

木甲板をグラデーション塗装で表現中。でも下のデッキは殆ど見えなくなります。
だいたいの組み立ての終わった段階IJN/OSK Aikokumaru

本船は迷彩塗装を塗る関係から、一旦基本塗装になるライトグレーで塗装してから、細かいところを塗ることにしました。
グレー単色塗装状態IJN/OSK Aikokumaru
ダズル迷彩のマスキング中IJN/OSK Aikokumaru
基本組み立て・塗装完了状態。あとは張線だけIJN/OSK Aikokumaru
張線展張中IJN/OSK Aikokumaru




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