1/35 W号戦車D型(大洗女子女子学園・あんこうチーム/サンダース・アンツィオ戦時(1/35 プラッツ・サイバーホビー)


BR>参考文献:
     大日本絵画 アハトゥング・パンツァー第3集 「W号戦車」
     
Reffrence:
Dainihon kaiga Achtung panzer 3 "mark 4 tank"

ドラゴン/サイバーホビー製キット「W号戦車D型」をベースに製作いたしましたが、流れは2012年12月発売のオフィシャルキットと同じです。部品構成が違いますが。
 そのオフィシャルキットでも「ガルパン」仕様にするためには、キットのままではいろいろ違いができてしまいますので、ここで自分の調べた範囲での差異と、改造方法を記したいと思います。

 <大洗女子学園6号車両の特徴>
 本車両の最大の特徴は、足回りでしょう。

 まず目に付くのが、下部転輪のハブキャップ。これが4号D型が採用された当初のものより後のものになっています。
 サイバーホビー製キットにはこのキャップも同梱されているのですが、タミヤ製はこれが入っていないため、H型等後期の車両から持ってくるしかありません。
 次に、キャタピラ。オフィシャルキットにはなぜかすべり止め付のベルト式履帯が梱包されていますが、劇中ではこれが厄介なことに4号戦車用としてはもっとも手間のかかる 「旧式40cm幅履帯(キャタピラ)」、モデルカステンの製品で言うと「中期」仕様になっています。

 こちらがモデルカステン製履帯の内容。キャタピラは左右に貫通こそしていませんが、実車同様、左右からピンでとめるので可動です。真ん中のガイドにも穴があいています。
 40cm幅キャタピラはキットに同梱されていないため、ベルト式ならタミヤの「4号戦車H型初期」から持ってくるか、モデルカステン製なら「SK−18」番を買うしかありません。
 これに伴い、起動輪にも改造が必要です(あんまりこだわらないひとは、そもそも足回りいじらないと思いますが、40cm幅対応の新型起動輪にしてもよいかと。実際キットの説明書には形状は違いますが 簡単なほうが指示されています)。この起動輪は、Aの32,33,34番のものになります。
 史実でも(具体的にはバルカン半島作戦当時の第1SS師団LHAの突撃砲大隊等)同様の措置がとられましたが、起動輪のカムと起動輪自体の間に、スペーサーをかまします。

 クリアランスの関係で外側のカムとの間に1mm角材をはさみましたが、入手可能であれば史実同様、左右に0.5mmプラ材をかませましょう。これで、40cm幅履帯(キャタピラ)を装着できます。

 OVM(車外装備品)にも差異がみられます。右側フェンダー上の装備品ですが、予備履帯が4つになり、起倒式アンテナは基部とケースだけ残してあるようです。また、前方の工具箱もなくなっています。
 車両前面、変速装置メンテナンスハッチ上にも、予備履帯が乗っています(当然40cm幅)。本作は「増加装甲型」のキットから作ったので、変速機前に増加装甲がついていますが、これはアニメの 車両にはついていません。
 予備履帯ともども、他のキットの余剰部品からもってくるか、タミヤの4号戦車用スペアパーツから持ってくるしかなさそうです。
 こだわる人は履帯を固定する金具も他のキットから持ってくる必要があります。自分はドラゴンの4号突撃砲のあまりを使いました。
 ボンネットは吸気口の有無が選べますが、幸い「ガルパン」版は「なし」で大丈夫です。
 前フェンダーをとめている金具は模型ですと「内側」からとまっていますが、劇中では「外側」からとまっています。これはG型以降のキットに入っていますが、削り落として真鍮線で作り直すのも良いと 思います(史実の車両は検証したところ、まちまちでした)。アベールの「W号戦車用フェンダー」、ボイジャー製のW号戦車エッチングセットには、フェンダーがひんじごと付属しますので、それらを利用するのもいいと思います。

 <塗装>

 塗装はいつもどおりの筆塗装で、まず基本色のジャーマングレーを塗装しています。
 「ガルパン」に登場する車両はどれもよくコンスタントに整備されているので、傷類は足回りのチッピングだけで大丈夫でしょう。
 塗装完了後、土ぼこりで汚れた雰囲気を出す為にパステルを混ぜたアクリル塗料でウォッシングしています。
 最後に、パステルでシャドーを入れ、砲口と排気口にすすをつけて完成です。
 パステルなんてめんどうだ、という人は、タミヤから「ウェザリングマスター」というものが出ているので、それの「サンド」と「Bセット」のすすを使えばいいと思います。
 あんこうのエンブレムは、モデルカステンから出ているデカールを使いました。
 
ドラゴン製キットは、ゴム製の部分が別部品になっているので塗り分けが楽・・・といえば楽です。
 オフィシャルキットではよく見られるリムと転輪がいっしょになっているものが同梱されていますが、塗りわけは必須です。
 また、説明書に書かれていません(削除された)が、付属する「MA」ナンバーのエッチングは、後部誘導輪の両サイドにはりつけます。当然こっちのほうが正確な形になります。なんで削ったのか? といえば、おそらく「そのほうが楽だから」って理由だけだと思います。そのくせはしごはしっかりエッチングで作らせるのでちぐはぐですが。

組み立て完了時点。銀・金色が金属性部品です。

 尚、組み立てが完了してもこれだけの部品があまります。ドラゴン製のキットはだいたいこんなものですが、ベンチレーターや工具など、後々役立つこともあるのでできるだけ余剰パーツはとっておきましょう。

基本塗装終了

エッジに一段明るい色をのせてハイライトを強調したところ

I painted the vheecle in dark glay by brush.
After painting is finished, dirt of pastel powder is painted by brush.

<車両内部>

 車内は基本白色なのですが、アニメを見ますとハッチ内側もグレーに塗装されているようです。
 
<車体前部>
 
ブレーキ点検ハッチのあるボンネット上には、「8こま」の予備履帯がありますが、サイバーホビーのマジックトラックを同数並べようとすると、長すぎてハッチに干渉してしまいます。
 そこは切り詰めて調整するか、本作のようにちょっと贅沢ですがモデルカステンの履帯を使いましょう。あんまりきにしない人は枚数を減らすか、タミヤのW号戦車部品セットに入っている予備履帯をのせましょう。
 
<車体側面>

 車体側面のOVM取付金具類は付属のエッチング製(今回はボイジャーメイン、一部はアベール製)です。これはキットに金具の最初からついているものも入っています。
 
<砲塔> 

エッチング製の砲塔の側面ハッチは、ひんじ機構が再現されているので完成後も開閉が可能です。
背面のピストルポートは左右対称ではなく左右とも同じです。
 アニメでは、砲塔上の信号塔の位置から、負け判定の白旗が出てくるようになっています。

 

<車体後部>

 マフラーは、若干ですが赤錆が浮き上がった表現をしています。
 マフラー上の箱はスモークディスチャージャー、発煙筒で、チェーンを車内から操作して作動させます。 
 ドラゴン製キットにはこのチェーンが入ってますが、タミヤ製は当然付属しません。



最後に、初めて戦車模型を作る人のために使用するペンキを記しておきます。
ジャーマングレー(車両)
つや消し(混ぜて使う)
タイヤブラック(車輪と、砲塔トップの扉の内側の四角いパッド、覗き穴の上のパッド。若干のつや消しを混ぜたほうがいいです)
ウッドブラウン(ジャッキ台、シャベル等工具類のとって)
マホガニー(鋏・クランクのとって部分のベークライト)
銀色(反射板と、エッジを出すため)
レッドブラウン(ジャッキ台固定用ベルト)
黒鉄色(キャタピラと機関銃、工具類)

よく聞かれる各部位の役割ですが

砲の下の棒(赤丸):アンテナよけ
 ドライバー席の隣の丸いもの(黄丸):ピストルポートのふた
 ドライバー席左の箱・ジャッキ台(青丸)


ピストルポート(茶色)
牽引ワイヤーを引っ掛けるフック(黄緑)
車間表示灯(緑)
反射板(青)
キャタピラのテンションを調節するためのスイング機構(白)
予備履帯(ピンク)
ジャッキ(赤)
 アンテナケースとアンテナ基部(黄色)


変速機メンテナンスハッチ(赤)
(足元だけを照らす)ノテック社製ライト(茶色)
消火器(緑)
手動始動用クランク(オレンジ)
信号弾用ハッチ(青)
信号弾用ハッチ(ピンク)
(通気用)ベンチレーションハッチ(紫)
信号塔(黄色)
頭部保護用パッド(黄緑)


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