1/35 W号戦車長砲身型(大洗女子女子学園・あんこうチーム・8話以降)(1/35 タミヤ)




  第8話から登場する、長砲身になったあんこうチーム車両です。
 問題なのはこの車。なんと「D型をF型のように改造した」ことになっているのですが、調べてみるとD,F、G、H、それぞれの特徴がごちゃまぜになっている厄介な車でした。

 <大洗女子学園6号車両の特徴>

D型の特徴
・ブレーキ点検ハッチがつらいちになってない、浮いている
F型の特徴
・車体左、脚かけあり(G型で廃止)
・球形マズルブレーキ
・ノテック社製ライト装備 (緑の丸)
・上部ハッチ中央の信号弾発射ハッチ廃止(後期より)
・キューポラハッチがまだ左右に開くタイプ(1枚になるのはG後期から)
・砲塔側面ハッチが2枚扉に(しかし車内の様子では1枚板のまま、これは作画ミス?)
・車両後部スモークディスチャージャー取り付けラックらしきもの確認
・砲塔前面右側のクラッペがまだある(G型で廃止)
・長砲身化に伴い、折りたたみ式のクリーナーロッドが4本になっている(黄色い丸)。

G型の特徴
・左側予備転輪装備 (ピンクの丸)
・砲塔側面クラッペ廃止(F型後期からも)
・機銃手・ドライバーハッチ上面左側の信号弾ハッチはまだある(後期より廃止)
・フェンダー上のOVM(車外装備品)は概ねG型準拠。右フェンダー上のクランクも旧式、左フェンダー上の、タミヤ4号ではC字牽引シャックル(H型になり重量がS字シャっクルの能力の25tを超えたため、これになった。G型までの重量は23.5t) がまだS字のままになっている。これらはタミヤの「W号戦車車外装備品セット(初期)」に入っていますし、ドラゴンのキットを買えばたいてい余りますのでそっちからもってきましょう。

H型の特徴
・起動輪がH型以降のものになっている(赤い丸)
・車体正面下部、最終減速装置付近のふちが、丸い(装甲が8cmになるH型初期まで)
尚、予備履帯はなくなっているようです。
また、ドライバー窓と機銃まわりだけ、3cmの増加装甲がなされていますが、車体下部はそのままです。
正面装甲が1枚板になったのは、E型からです。
目立つ特徴として、砲塔背面の荷物入れ「ゲペックカステン」が追加されていますが、これはD型からついている車両がみられます。
履帯はガイドレールに穴のある「旧式40cm幅」、要するに1話から足回りはそのままです。
気になるのは、後部転輪の支柱の数が「6本」になっていることですが、これは実在しないものなのでおそらくミスと思われます(実際は7本)。現用車両もそうですが、奇数のほうが圧力が分散するみたいですね。


上がドラゴンの「F2型」、下がタミヤ。タミヤのほうが、およそ4割くらい部品数が少ないです。
今回は入手の容易さ・改造の手間の工数の少なさなどを考慮して、タミヤの「W号戦車H初期型」をベースに、この「あんこうチーム車」を再現していきたいと思います。

使用したキット・部品などは以下のとおり。すべて通販でも買えるしろものです。
タミヤ「W号戦車H初期型」
「W号戦車前期車外装備品セット」
エポキシパテ
ラッカーパテ

尚、今回は予算の関係で左右に開くキューポラハッチと、砲塔正面右側の装甲カバーは再現していませんが、タミヤの部品とりよせで「V号戦車L型」を指定することで入手も可能です。

こちらがタミヤの起動輪。右のものを使いましょう。

こちらが起動輪の比較。上からドラゴンのF型、H型、そしてタミヤのH型(通常)です。

こちらがF2型最大の特徴である、方針の先端にある「マズルブレーキ」。穴がひとつなので「シングルバッファ」と呼ばれています。
これがどうしても欲しい、という人は、ポーランドのアベール、チェコのCMKという会社から出ている別売り部品を手に入れるか、パテで自作するしかありません。
パテで自作する方法としては、元からあるマズルブレーキ先端を撤去して、そこに丸くパテをもって、最後に砲口をあければ再現できます。
 その際、4号H型の45口径より短い43口径砲を再現するため、およそ6mmほど砲を短く切り詰めましょう。

正面装甲の比較。下部のラインが直線なのが装甲厚8cmになったH型通常、それ以前のまだ装甲が5cm厚なのがラインが曲線になっているのがわかるでしょうか。映像をみなおしてみると、 あんこうチーム車両はまだ後者のようです。

おおむね組み立ての終わったところ。
H型のシュツェルンステーを取り付ける穴が砲塔上面にあるので、パテで埋めています。
フェンダー上の工具類はG型準拠らしく、配置が一部変わっています。また、工具のタイプも初期のものですので、ノテックライトともどもタミヤの「W号戦車系列・初期車外装備品セット」でそろえられます。

 <塗装>

今回使用した塗料は以下のとおり。
(車体)ジャーマングレー・フィールドグレー1
(ハイライトと反射板・信号灯)銀・シルバー
(工具類)ウッドブラウン
(クランクと、はさみのとってのベークライト)ココアブラウン
(キューポラ内側)明灰白色
(あんこうのマークの色)肌色ないしライトブラウン、赤、白
(大洗女子学園マークの色)インディーブルー
(尾灯の色)クリアーレッド(単純に赤にリプレースしてもよい)
つやけし剤
(履帯・工具)黒鉄色
こだわる人は、木製品に色調をつけるために黄色とライトブラウンを追加します。
そしてウェザリングにタミヤの「ウェザリングマスターB」を使いました。

基本塗装完了状態。これで満足という人も多いでしょう。

マークは、自分で塗ることも出来ます。メリットとしては
・好きなサイズにできる
・クラッペ・ボルトといった凹凸があっても対応できる
・デカールの弱点であるてかりを抑えられる
等が挙げられます。
まずは、塗りたいマークのラインをペンで書き入れましょう。

線の内側を塗りつぶしたところ。

大洗女子マークも同様に。基本は「明るい色」「面積の大きな色」から塗っていきます。

「水色」「ブルー」最後に文字を白で書き入れます。

アニメでは再現されていませんが、マフラーは熱でしょっちゅう錆びるものなので、暖色を入れる意味でも若干サビをいれます。写真の段階ではまだ一種のサビ色しか入れてないのでまだ単調ですね。

今回はアニメ第8・9話のイメージから、雪化粧をします。これも、ウェザリングマスターだけでできます。

砲口・排気口だけでなく、砲塔上面の強制換気口まわりにもすすをつけましょう。

白いウェザリングマスターを側面にもなすりつけて、こびりついた雪・霜を表現。熱の出るマフラー、砲身などの上はやらないようにしましょう(止まってる状態なら別ですが)。

さらに、ボギー上、フェンダー上などの「積もった雪」を表現。

最後に、転輪の接地面に雪がつくのは不自然なので、ぬぐいとります。

<完成>
総工費およそ7千円、6日間で完成できました。

 

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