航空母艦隼鷹型「飛鷹」(あ号作戦時)(1/700 フジミ)
IJN fleet aircraft carrier Junyo class Hiyo(Fujimi)
参考文献:光人社「丸メカニクス・日本の空母」
グランプリ出版「日本艦艇写真集『空母』」
潮書房 丸スペシャルNo.11 「空母隼鷹・飛鷹」
大日本絵画 「日本海軍の艦上機と水上機 その開発と戦歴」
KKベストセラーズ「日本海軍全艦艇史」
原書房「日本海軍艦艇図面集」
図書出版社「日本空母戦史」木俣滋郎著
Reference document:Kojinsha"Maru mechanics:IJN aircraft carrier"
Kojinsha" Picture of IJN vessels extra:Blueprints"
Grand Prix press"Photos ofI IJN vessels "
KK best sellers"History of all IJN vessels"
"History of IJN vessels 3"
Hara shobo "Blueprints of IJN vessels"
Tosho shuppannsha"War history of IJN carriers"
Ushio shobo Maru-special no.11 "CV Junyo and Hiyo"
2016年発売のフジミ製キットと、純正エッチングセットを主に使いました。
さすがに純正品だけに手すりなどのサイズもぴったり、すりあわせの必要がないので楽でした。
図面資料もあり、隼鷹が終戦まで生き残っただけに、ディティールに関してはかなり豊富な資料のある船です。
This Hiyo is based on new kit from Fujimi, first sold on 2016.
I also have used photo-etched parts from fujimi, and they attached well on the kit, as it is made by the original maker.
Kit itself was well detailed and correct, and seems to have refered many remaining pictures and blueprints.
<隼鷹・飛鷹の差異と13号電探についてについて>
隼鷹と飛鷹の差異については、古い文献資料から既に「艦橋背面のマスト形状」が挙げられています。
確かに、写真を見ると隼鷹のそれはヤード一本なのに対して、飛鷹のそれはもう一本V字に後方に広がった、駆逐艦のような形状のマストになっています。
しかし、古い文献で指摘されている「マストの支えが前にあるのが隼鷹、後ろにあるのは飛鷹」というのはそのままの意味ではなく、あ号作戦でマストと艦橋が破損するまでは隼鷹のマストも後ろに支えがあることが写真から読み取れます。
困ったことに、「丸スペシャル」「写真日本の軍艦」でわざわざ「あ号作戦前の隼鷹」と紹介されているこの写真。
よく見ると、マスト支えが前についているため、あ号作戦の後のものであることがわかります。また、煙突トップ付近のラッパもみあたりません。
さらに、13号電探も確認できるため、「あ号作戦前に13号電探を搭載していたのでは?」という疑問の判断基準になっていたのですが、少なくとも隼鷹は昭和19年5月3日までこれを搭載していないことが傾斜実験の際の写真で確認できます。
しかし、最優先で電探を装備されていた空母だけに、まだ13号があった可能性は否定できません。そのせいでしょうか、キットには13号電探が付属しています。せっかくなので、キットのまま今回はこれを取り付けています。
Many books suggest that main difference between these 2 ships were masts.
Junyo had only one yard on aft mast, but Hiyo has additional V-shape yard on back.
Some book say, support on aft mast was also identicle, but that is after june 1944, Junyo got damage. till then, Junyo seems to have support on front, just same as Hiyo did.
Problem is ,there are mistaken on photo on "maru special". the attached picture say "this picture was taken just before june 1944", but that is wrong. support of mast is attached on front, and model 13 rader is also attached.
The model13 rader is confirmed NOT instaled on picture of Junyo, taken on 3rd may 1944.Book from gakken suggests that model 13 was not instaled on june 1944.
I add this rader, after I found this mistake. but there is still possibility.
<飛行甲板>
<飛行甲板>
飛行甲板は材木の継ぎ目もしっかり凹モールドになって、継ぎ目も綺麗に表現されていました。
まずデッキタンで塗装してから、5色ほどの変化のついた材木の色を塗布、さらに最後にウォッシングで凹凸を強調すると同時に色調をととのえています。
日本空母の飛行甲板(多くの場合後端右舷側)には、識別用の文字が書かれていました。「飛鷹」の場合、昭和19年春に撮影された写真にちらっと文字らしきものが確認できますが、どんな文字だったのかははっきりしません。
フジミのキットには、ひらがなの「ひ」の文字のデカールが付属します。
尚、何時の時期、どの位置に描かれたのか不明ですが、赤白のストライプのラインが甲板上に描かれた時期もあったようです。これもデカールが付属します。
The only mistake on the Fujimi,s kit was, the area of steel deck on the backend of the deck.
<艦首>
艦首旗ざおは0.2mm真鍮線製です。
錨甲板もいじったのですが、ご覧のとおり増設機銃のおかげで殆ど何も見えません。
Flag pole is made of 0.2mm brass line.
<舷側>
舷側は、塗装の厚みで鉄板の接合を表現しています。終戦時の「隼鷹」の写真がたいへん参考になりました。
<艦橋>
こちらの写真ははっきり「飛鷹」であると確認できるものですが、同時期の「隼鷹」と比べると、若干煙突後部の管が太いようです。
前マストのトップには風速計、ヤード左側には、風向計がついています。これらは、フライホークのエッチングで再現しました。
艦橋形状はキットのまま、ブルワークを薄く削って、支柱を真鍮線に代えているだけです。
双眼鏡はキット付属のものを使いました。信号灯・探照灯はキット付属のものも大変良いのですが、ここはファインモールドの透明部品製にしました。
ループアンテナは0.2mm真鍮線で自作。
2,3km信号灯は、ファインモールドの透明部品を使っています。
真珠湾攻撃時の写真を元に、防弾・破片対策用のロープを0.08mm銅線でつけました。これの付け方は、翔鶴と瑞鶴では違いがあったようです。また、真珠湾攻撃時と珊瑚海海戦時の写真を比較しても
違いがありました。
アクセントとなる浮き輪は、2mmプラ棒に0.8mmドリルで穴を開けて、輪切りにして自作しました。
艦橋トップの高射装置は、夜間敵味方識別のために白く塗られていました。瑞鶴のそれは、マストトップにも及んでいたようです。
エッチングセットにはだいたいの機材は表現されていましたが、船のロールを示すと思われる艦橋左右の「動揺票」が入っていなかったのは残念です。これは手すりのエッチングを利用しました。
こちらの写真はあ号作戦前の「隼鷹」なのか「飛鷹」なのかわかりませんが、煙突回りのいい資料です。大きなラッパになっているのは、吸気口でしょうか。これも別部品でいいものがでるといいのですが。今回はドリルで開口してこのラッパを表現しています。
こちらの写真は終戦時の「隼鷹」ですが、21号電探前のメーター類を囲む形で、コンクリートブロックの壁が築かれています。おかげで?キットのままの厚みで充分これを再現できるのでわざわざ薄くする必要はありません。
艦橋の窓には、防弾板が取り付けられており、ちょっと原始的ですが艦橋トップから紐で上げ下げされていたようです。このひも、鋼線で表現するのに手間取りました。
艦橋の周囲には、フライホークのエッチング製の防弾用ロープを取り付けています。白く見える伝声管までは再現していません。マントレットはレジン製のものを使いました。
Bridge structure is not being changed so much from original kit.detail is being add refering pictures and 1/100 model made by Tadaharu Muto.
<マスト>
マストは一部にキット付属のエッチングを使い作りましたが、主構造はあえてエッチングではなく真鍮線で作りました。
ヤードには信号旗・軍艦旗、速力標を掲揚しています。ガフからは戦闘旗も掲揚しています。
「飛鷹」の場合、V字の後マストが特徴になっていますが、そのすぐしたにガフが見えます。
Main structure is made of brass line.
I raised signal flag, warship flag, and battle flag.
Hiyo,s mast is identicle as it has adittional V-shape yards.
<機銃・高角砲>
高角砲/機銃はファインモールドの「ナノ・ドレッド」シリーズを使っています。
隼鷹型の高角砲は甲板からは砲身しか見えず、上部がカバー付きだったのかどうかはっきりわかりませんが、直前の「翔鶴」型がカバー付きだったため、今回もカバー付きの物を取り付けました。
幸い、昭和19年5月3日撮影の「隼鷹」の写真のおかげで、この時期の3連装機銃はすべて盾付だったことがわかります。
困ったのは艦橋右舷側の踊り場で、ここは機銃だったのか探照灯だったのかわかりません。「丸メカ」では機銃らしきものが付いているイラストになっていますが、場所的に3連装25mmを置くのはきつそうなので、
連装機銃を置きました。13mm機銃だった可能性もあります。
from Pitoad.
I used 12.7mm twin AA guns and type 96 triple AA machineguns from Finemold.
All triple 25mm AA guns had shields on, can be confirmed on picture taken on may 1944.
12.7mm guns had no picture but for end of barrel, so I guess they had cover on top by reffering that of Shokaku class.
Problem was, the small deck on the right of bridgestructure. it were too small to instal triple 25mm machinegun, so I instaled twin machinegun. maybe searchlight or 13mm machineguns were here.
<艦尾>
艦尾には、エッチング製の舵へい信号票を左右にとりつけています。
甲板から支柱までは、雨どいの管を0.3mm真鍮線で造り、とりつけました。
艦尾の錨は、ちょうどいいサイズのものがなかったので、キットのモールドのものをそのまま使っています。
短艇甲板は、一番外側の物をピットロード製にして台座や手すりなどディティールアップしたのですが、殆ど見えなくなります。
ancor on the stem is not changed from the original kit.
<艦載機>
艦載機はすべてフジミ製で揃えました。
脚はエッチング製のカバーを、0.2mm真鍮線のオレオに取り付けています。アンテナ支柱も同様に0.2mm真鍮線製です。
すべてではありませんが、プロペラはアドラーズネストの物を使いました。空中線は0.08mm鋼線製です。
今回は「飛鷹」にとって最後の作戦となったあ号作戦の第2航空戦隊・第1次攻撃隊の編成としました。
参考までに、編成はこのようになっていました。尚、制空任務の零戦ですが、21型と52型の両方があったようです。翔鶴だけは32型も搭載していました。
あ号作戦時
第2航空戦隊第1次攻撃隊
隼鷹(旗艦)
零戦6機
零戦戦爆9機
天山2(索敵用で40分早く発進)
天山2(最後部で誘導)
飛鷹
零戦6
零戦戦爆9
天山5(攻撃兼誘導)
龍鳳
零戦5
零戦戦爆7
合計51
第2次攻撃隊
隼鷹
零戦10機
99艦爆9
彗星艦爆9
飛鷹
零戦10機
99艦爆18機
龍鳳
零戦6機
天山(索敵)2
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