海上自衛隊護衛艦DDH183「いずも」(2015年竣工時)(1/700 ハセガワ)
JSDF DDH138 Izumo(HASEGAWA)



 2015年就役の船ですが、6月にはもうこのハセガワ製キットが出ました。
 当然リサーチもいきとどいており、最初から純正エッチングもあり、何より就航直後の6月14日の一般公開で実際に乗ってきたので、資料的な苦労はあまりありませんでした。
 尚、就役後の所属は横須賀の第一護衛隊群・第一護衛隊です。
 
<艦首>
 
 この船の模型を作る上で一番効果的な改造ポイントでしょうか。 
 キットのままですと、艦首の三角形になっている面を船体左右の部品と接合するのですが、そのままでは角が立ちすぎます。
 そこで、よく接着した後でパテを持って、角を落とすように削りました。若干モールドも消えてしまいますが。  
 また、キットでは3つ並んだムアリングパイプの穴のサイズが全部同じですが、実際は左舷側だけサイズが違っています。ここは大き目の穴をあけて、ベルマウスを新造しました。
 右舷の舷灯は部品化されていない(左舷側もですが)ので、実物を参考に自作しています。       

<艦橋構造物・マスト>
   
 ハセガワ純正エッチングパーツは、あらかじめマストの各層の形状にあわせて手すりを曲げるための型紙まで用意されていました。
 しかしながら、マスト背面の赤・黄・青の信号灯までは再現されていなかったので、これを透明伸ばしランナーで再現しました。          
 空中線は、0.015mm鋼線製です。
 構造物の左舷側に、構造物を分割するすきまがありますが、これは自分だけでなく他の艦にも燃料を補給するための給油設備だったりします。
 ここは説明書でもうまく書かれていなかった上、私も接近できなかったので詳しい構造は不明ですが、給油設備であるとわかればだいたい機器類と、手前の張り出しの意味もわかってきます。  
 右舷側スポンソンは艦首側から、チャフロケット発射台、FAJ、給油装置となっています。左舷側も同様にチャフとFAJが並んでいます。小さなスポンソンには、近接防御用の機銃が設置される こともありますが、これも専用エッチングセットに入っていました。
 シャワーのファンネルのようなものは、真鍮線で自作しています。  
 艦橋構造物の若干角度の付いた垂直面のOPS−50フェイズド・アレイ・レーダーのカバーは素材の違いの為でしょうか、若干青みがかっていました。  
 艦橋前面には、型抜きの関係で再現されていない扉などをエッチングパーツで再現しています。  
 構造物前後にある赤いリールは、消火ホースです。小さくモールド化されていましたが、エッチングパーツとスプリングで新造しました。  
 尚、艦橋前に見えるシーRAMは海上自衛隊にとって初採用のものです。  
 構造物手前にあるさかさまになった洋梨のような物体は、NORA−7スーパーバードD衛星通信アンテナです。
 艦橋背面にある旗甲板の旗置き場はエッチング製の旗置き場を使いましたが、よく見ると箱状だったのでキットのままでもよさそうです。
 艦橋左右にある双眼鏡と信号灯は、それぞれフライホークとファインモールドの部品を使っています。
<船体>
 
 黒い喫水線付近のラインは、実艦同様、完全に水平ではなく、艦首と艦尾付近だけ若干上向きに塗装しています。
 船の深さを示すラインは、付属のデカールを使用しました。

<艦尾>
   
 艦首同様、ここも角をおとしました。  
 

<甲板>
          
 もっとも広い面積を誇る場所ですが、実際の艦に載ってみると、かなりざらついた、まるでセメントを塗りたくったような様子でした。
 甲板員さんにお話を伺って確認したのですが、これはセメントを塗っているわけではなく、塗布するだけでこうなる、アメリカ海軍と同規格の耐熱塗料のエマルジョンがそうさせているそうです。
 甲板は当然すり減るので、そのたび塗りなおしているのか、ここだけでも筆塗装で仕上げたほうがリアルになると思います。
 甲板のへりの内側は白く塗られていますが、これはここだけ塗装再現するのも困難なのでやめました。  
 作業スポンソン内側には点々と、消火ホースなどが赤くわかりやすく配置されています。  
 ホイップアンテナは、テーパーのついた真鍮製のピットロード製「護衛艦用ホイップアンテナ」を使っています。一番細いものは、0.2mm真鍮線製です。
 甲板上に見える白い小さな四角は、武器昇降用エレベーターです。
   
<艦載ヘリコプター・車両>
 
 艦載機は、MV22,SH60K、MCH101がそれぞれ二機、それぞれ海上自衛隊デカール付で入っていました。        
 MV22は二〇一五年現在海上自衛隊に配備されてないのですが、模型らしく並べておいたほうがオブジェとしての価値はあると思います。  
 メインローターはエッチング製です。  
 また、甲板上を走る車類も再現されています。クレーン車、高所作業車はわかりやすいですが、小さい車は大きい順からP−25J艦載救難作業車(赤い線が入っている白い車)、 艦載牽引車、甲板清掃用車両、フォークリフトになっています。  
 今回は作りませんでしたが、キットには3.5tトラックと73式大型セミトレーラーPAC3まで入っていました。
  
 キットに付属するコの字状の物体は、ヘリコプター牽引用の電動ハンドラ―です。  
 
模型を作る前にケースを発注される方のために、模型のサイズを。  
高さ80mm  
長さ37cm  
幅75mm
最後に、二〇一五年六月に一般公開された際の写真の写真もご覧くださいませ。
護衛艦「いずも」


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