1/35 ヘッツァー(大洗女子女子学園・亀さんチーム・10話以降)(1/35 タミヤ ヘッツァー中期型改造)




  第10話から登場する、「38(t)戦車を改造して製作したヘッツァー」です(構造的に実車ではありえないのですが)。タミヤ製キットをベースにアベール製エッチングとモデルカステン製履帯を使いました。
 後述しますが、オフィシャルキットを差し置いて、現在最も安く、入手しやすく、かつ作りやすくて2番目にアニメに近いのがこのタミヤ製「ヘッツァー中期型」です。
 アニメでは38(t)をベースにヘッツァーを作っていましたが、実際には、ヘッツァーは試作品に終わった38(t)の改良型である38(t)n.Aという車両をベースに、BMM社が開発した「駆逐戦車」 (実質、正面だけ装甲の良い自走砲)で、共通部品は殆どありません。
 車幅も38(t)の177.5cmから212.3cmに、転輪も775mmから825mmに、誘導輪も535mmから620mmに、起動輪の歯数が19から20へ、すべて増加・増長されています。
 また、車体側面には傾斜がつけられているのも外観的にわかりやすい特徴といえます。
 他にも史実にはない特徴が本車両にはあります。
 <大洗女子学園ヘッツァーの特徴>

<上面>
・パネルラインはエンジンボンネット上に小ハッチ左右にあり(史実車両にそのバージョンもある)
・ピントル(作業用簡易クレーンを取り付けるための丸くて短い柱)はない、代わりにそれらしき切り株のような物体がある。
・ペリスコープカバーは史実よりかなり小さい
・左側ハッチの右側にもとってがある(実車にはない)

<側面>
・OVMなし(フェンダー上にジャッキと、ジャッキ台だけ)
・後部転輪は軽めの肉ぬき穴6つのタイプ
・起動輪形状が独特(本来穴のある箇所にボルトがある)
・履帯は中央に山のある後期型履帯

<砲>
・砲身は先端に段差のある特徴的なもの
・機銃は搭載していない
・機銃防盾は側面から見ると傾斜している

<背面>
・尾灯形状が独特
・フェンダーは外側に向けて下に傾斜せず、平行(模型では整合性をとるために右側だけ傾斜をつけています)
・後部誘導輪横のマッドフラップはない
・マフラーは横置き型、防熱板はない


 一番目立つ特徴は後部誘導輪でしょうか。これは肉ぬき穴が6つ、これはタミヤのキットにはないので、アカデミーかドラゴンの「黒騎士」か「ヘッツァー中期型」キットに付属します(エンジンボンネット形状はアカデミーが一番 近いのですが、全体的に雑な出来ですのでタミヤ製をお勧めします)。今回は後部誘導輪だけ、ドラゴンの「黒騎士」ヘッツァーのキットから持ってきました。

 しかし、「ガルパン」オフィシャルキットのヘッツァーの後部誘導輪が「穴6つ」でないと知りましたので、急遽「自前で6つ穴後部誘導輪」を作る方法を記します。
1、強度と密度のあるポリパテでまず車輪の裏側(完成後見えなくなる、但しセンターガイドのクリアランスは確保)から押し出す形で車輪の穴を埋める
2.パテが硬化したら、さらに生じる段差を目の細かいラッカーパテで埋める
3.あらかじめ6分割する線を入れ、十字に傷をつけてセンターを作り、5mm径ドリルで穴を掘る
4.整形する
車輪のリムとリベットを傷つけないように加工するのがたいへんですが、どうせ泥汚れで詳細は消えるし傷を人為的に入れるから荒くても大丈夫。
パテが多少残っても「泥」ってことにすれば良いので問題ありません。
こうして自作すればもう、正直出来の悪いドラゴンの中期型を買う必要もありません。

 タミヤのエッチング付セットが6千円、砲身2千円、ドラゴンのキット3千円(パテを使うならポリパテ・ラッカーパテで千円弱)、モデルカステン製履帯4千円でペンキ等いれてだいたい1万5千円ちょっとで製作可能です。
 残念ながら、古いドラゴン製のキットはプラが十分流し込まれていなくて穴が開いてたり部品が足りてなかったりする不良品が多数報告されているので、注意が必要です。デカールの問題もあるので、ドラゴンベースでどうしても 作るならオフィシャルキットを買うのが無難でしょうか。
 あとはだいたい、タミヤの中期型のままです。横置き型のマフラーが明らかにそれです。工作が必要なのはマフラーのそばのエンジンボンネットのハッチ追加くらいでした。ひんじは、アベールのエッチング製です。
 問題なのは起動輪。これには、よく軽めの肉ヌキ穴があいている箇所に史実にない謎のボルトがついてますので、これを追加する必要があります。今回はレジン製ボルトを追加しています。いらなくなったキットからボルトだけ調達するのもありです。
 アンテナは、テーパーがついていないので真鍮線で製作しています。
 キットに付属しないとっては、0.4mm真鍮線製です。
 
 車体側面の金具はアベールのエッチング製ですが、これらは本来、カモフラージュを固定するためのものです。
 
 車体後部の牽引ワイヤーは、水糸を使いました。
 砲身は、おそらく本邦初作例になると思われるアベールの「ヘッツァー初期型用ねじ山付砲身」を使っています。アニメではねじ山はありませんが、これ以上アニメの特徴を備えている砲身はほかにありません。
 
塗装は、タンをベースにダークイエローを6:4くらいでブレンドしています。
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