香取型練習巡洋艦「鹿島」(昭和19年〜終戦時(1/700 アオシマ)
IJN training cruiser Katori class Kashima 1944(aoshima)
参考文献:光人社「写真 日本の軍艦 別艦 図面集2」
グランプリ出版「日本艦艇写真集」
KKベストセラーズ「日本海軍全艦艇史」
「海軍艦艇史3」
原書房「日本海軍艦艇図面集」
モデルアート「艦船模型スペシャル」no.41「特集:香取型」
Reference document:Kojinsha"Maru mechanics:IJN aircraft carrier"
Kojinsha" Picture of IJN vessels extra:Blueprints"
Grand Prix press"Photos ofI IJN vessels "
KK best sellers"History of all IJN vessels"
"History of IJN vessels 3"
Hara shobo "Blueprints of IJN vessels"
Model art ship model special no.41 Katori class
アオシマから2008年に発売になったキットをベースに制作いたしました。
今回は昭和19年、対潜掃討艦として改装を終えた時点を航行状態・停泊状態の2隻揃えました。
練習巡洋艦として竣工した本艦は、昭和一九年には魚雷発射管を高角砲に換装、電探や機銃を増設、爆雷を搭載するなど海上護衛総隊旗船として改装されました。
香取型三隻はすべて三菱横浜造船所で建造されましたが、創建当時の姿は「香椎」の窓と電路以外特に差異はないようです。が、香椎だけ後マストの基部付近に左右の張り出しがあります(アオシマのキットではここだけが別部品
となっていて、差異を表現しています)。
尚、三隻竣工した香取型ですが、起工されなかった四番艦は「樫原」と命名される予定でした。
This model is based on 1/700 kit from Aoshima, released in 2008.
Kashima was build in 1941 as training ship, later remodified in 1944 as anti-submarine flagship.
All Kashima class were build in Yokohama Mitsubishi shipyard, but they have little difference. only degaussing cables and Kashii,s front window and aft mast are identicle.
In addition, 4th Kashima class ship which were not build are supposed to named "Kashiwara".
<艦首>
錨甲板上のアンカーチェーンは本物の鎖に交換。左右の錨鎖をつなぐチェーンはエッチング製、キャップスタンはGenuie modelのレジン製部品で再現しました。
錨本体は、ファインモールドのプラ製部品に交換しました。
艦首フェアリーダーはエッチングを使用、菊花紋章はファインモールドのプラ製部品です。
停泊状態のものは、錨見台を左右に展張しています。
STEM
anchor chains are replaced to real chain. capstans are made of resin parts.
Fairleads are made of photo-eched parts form lionloar.
Emperors emblem is made from plastic parts from Finemold.
<舷側>
舷側の鉄板の継ぎ目は、塗装の段差で表現しました。
窓はすべて0.4mmドリルで開口しています。
艦橋基部直下にある通行桁を補強するワイヤーは、0.4mm鋼線で再現しています(停泊状態ならこれも展開してもよかったですね)。
停泊状態のほうは、艦尾付近に舷門を展開してます。舷門を釣っているデリックはピットロード製です。
尚、電路には各艦個性があったようです。
<艦橋>
艦橋は、インジェクションの関係で再現されていない窓を開口。香取型の特徴として、正面の測距儀の下、おそらく操舵室の窓が中心だけ一つ大きくなっています。
また、航海甲板の窓も正面だけ上下の幅が狭く、「香椎」は正面窓の真ん中だけ上がもりあがって開口されていますが、これは専用のエッチングパーツでもないと再現できないので、左右と同じサイズのジョーワールド製
エッチング製窓枠で再現しています。
測距儀はハセガワのエッチング製、その左右ブルワークについているデッキライトはファインモールドの透明部品製。双眼鏡はキット付属のものと、ピットロードから出ている部品を使いました。
艦橋の床面は防空指揮所の木製グレーチング以外再現されていませんが、上空からの写真を見ても船体のグレーより暗く見えるので、おそらくリノリウム張ということで押さえ金具をデザインナイフでけがいで表現しています。
艦橋背面にあるアンテナは基部を真鍮線で自作し、先端だけジョーワールドのエッチング製です。
艦橋側面の肉抜き穴のある補強板はアオシマからエッチングが出ているのは知っていたのですが、調達できなかったため0.5mmドリルで開口しています。
探照灯はファインモールドの透明プラ製部品を使いました。
ホーサリールは、ハセガワのエッチングパーツにスプリングを組み合わせて再現しています。
機銃付近のブルワークもプラ製で再現されていますが、今回は薄い金属板で再現しています。
艦橋構造物背面には、予備フロートを取り付けています。
<マスト>
マストは先端だけ真鍮製です。ヤードは0.2mm真鍮線に交換しています。
ヤード上にある航海灯、一三号・二二号電探、逆探はファインモールドのプラ製部品。避雷針、風向・風速計はジョーワールドのエッチング製です。
マストを補強する索は0.04mm鋼線製。
ヤードには航行状態のものは速力標を「微速」位置に掲げ、停泊状態のものは平時の意味ですが「艦長不在」の信号旗を掲げています。
「鹿島」のマストは、昭和一九年に後方に若干傾斜する形に改められました。
一三号電探を装備した姿は写真で残されていないのですが、終戦後の写真を見ると基部だけ残っているようです。二二号は航海用として最後まで取り付けられていました。
先端を短くされた後マストの先端がどうなっていたのかは、終戦後そこだけ撤去されてしまっているのでわかりません。
連掲信号燈は塗料の厚みだけで表現。艦尾信号燈はファインモールドのエッチング製です。
空中線は0.08mm鋼線製です。
<甲板>
甲板上のボート類はピットロードの艦船装備セットから持ってきました。
射出機の左舷側前方にある板は応急舵で、ジョーワールドのエッチング製です。
デリックの索は、0.03mm鋼線製です。
甲板上に確認できる通風塔は、ヤマシタホビーのプラ製と、Genuie modelのレジン製部品で再現しました。
煙突左右のバスケットには、応急資材の材木を0.4mmプラ材で再現しました。
煙突の前には、フライホーク製の装填演習砲を設置しています。
<主砲・機銃・高角砲・>
主砲の五〇口径三年式14cm砲は、側面と背面に扉がありました。キットでは浅く、側面の左右に開く幅広の扉が再現されています。今回はエッチング製の扉を張り付けました。砲身は0.5mm真鍮管製です。
機銃は、単装と、艦橋付近の連装のものはファインモールドのエッチング製、後部の三連装はプラ製のものを使っています。
機銃弾薬箱も、ファインモールドのプラ製部品を使いました。
八九式連装高角砲はファインモールド製です。魚雷発射管の会った場所に増設されたものは、時期的に上部カバーがあったのかもしれません。
Model year 3 14cm twin gun 50 cal had doors on side and back. I add gun barrel made of pipe, and doors made of photo-etched parts.
Machineguns and magazine cases are also photo-etched parts from Finemold.
<艦尾>
昭和一九年、対潜哨戒能力向上のため、爆雷投下軌条と装填台、それに発射機を搭載した状態を再現しています。
惜しむらくは、装填台のいいエッチング製部品が手に入らなかったことでしょうか。
投下軌条はファインモールドのエッチング製に、プラ棒をカットして自作して爆雷を搭載しました。この軌条が船体と平行だったのか、あるいは装填台に近寄せてハの字に配置されていたのかは不明です。しかし、動かすことのできない
フェアリーダーがある以上ここ以外に設置はできません。
フェアリーダーはエッチング製。
通風塔はレジン・プラ両方の部品で再現しています。
艦尾左右にある錨はオリジナルのキットでも再現されていますが、、それぞれファインモールドとピットロードの部品に交換しています。
舵柄信号は、ジョーワールドのエッチング製です。
<艦載機・射出機>
香椎の昭和18年12月に撮影された写真には、九四式二号水偵が写っています。しかし、昭和一九年にもなると水偵乗り、それもパイロットではない偵察員まで戦闘機・艦攻乗りに転向させられるなど
切羽詰まった状態でした。
このため、重要度の低かった内地の艦艇だった本艦の艦載機はおそらく搭載されていなかっただろうと考え、今回は艦載機はあえて載せていません。
呉式二号五型射出機は、ファインモールドのエッチング製です。
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