帝国海軍巡洋戦艦金剛型「金剛」(新造時)(1/700 ROP)
IJN battlecruiser Kongo 1913(ROP)



参考文献:学研 歴史群像シリーズ65「金剛型戦艦」  
    潮書房 丸スペシャル「日本の戦艦」  
    ダイヤモンド出版 日本海軍艦艇写真集 戦艦

 チェコのROPというメーカーさんのレジン製キットをベースに製作いたしました。
 今回は主砲砲塔上に「子砲」と呼ばれる水雷艇対策の小型砲(正体はビッカースの14ポンド砲、書籍では8cm砲と書かれていますが実は76.2mm砲)の乗った新造時の姿を模しています。
  この「子砲」は1917年(大正6年)には撤去されてしまい、代わりに演習用の8センチ外とう砲が装着されました。
 1915年には、煤煙対策に1番煙突が若干高められ、キャップが設けられました。つまりこの状態だったのは短い期間だったことになります。
 資料に関しては、綺麗な写真もたくさんあるだけでなく図面も、造船所で作られた模型もあったので日本戦艦としては充実したものがそろっています。
 キットは、気泡も殆どなく特段欠陥はありませんでした。フジミやピットロードではいじる人は削らないといけないディティールはあえて空所になっていて、ディティールは各自で用意してくれ、というスタンスなので、むしろ楽でした。
 たとえば、リール・ウインチ・ハッチ・天窓などはすべて図面を参考に該当箇所が空所になっていて、レジンで表現したほうがいい通風塔・小型リールのみが甲板上に表現されていました。アンカーチェーン置き場も同様です。

This model is based on ROP,s resin kit.
condition of this models is 1913, when she was completed.
in 1915, 1st funnel was remodified to prevent smoke, and in 1914 and 1915, serchilights were replaece. so, this condition was kept only in short term.

<甲板>

 甲板は複数のデッキタンでグラデーション塗装しています。
 ボート類は、キット付属のものと、ピットロードとファインモールド製のものにしました。
 参考までに、創建時の金剛が搭載していた短艇類は以下の通り(これを常備していたわけではありませんが)
 17m艦載水雷艇2
 13mランチ1
 12mランチ1
 9mカッター8
 6m作業艇1
 
 フェアリーダー、通風塔とリールは、ヤマシタホビー製のものを使いました。インジェクションキットなので入手も容易でいいものでした。
 ホーサリールは、エッチング製のものにスプリングでドラムに巻かれた綱を表現しています。
 天窓のディティールはフライホークのエッチングでディティールアップしました。
 アンカーチェーンを本物の鎖に換装、錨もファインモールド製プラ部品に換装しています。キットにはエッチング製チェーンが付属していました。
 キャップスタンはレジン製の、実際にカムまで表現されているものを使っています。
 

anchor chain are made of real metal chain.
Capstan is made of resin parts.
Boats are made of parts from Pitorad and Finemold.
Ventilation towers are made of metal and resin parts.
 
<艦橋>

 露天艦橋の天蓋はキャンバスで覆われています。
 昼戦艦橋の天井には、なぜか左側に寄った位置に測距儀が設けられていました。
  <煙突>

 煙突兆部の雨よけキャンバス用の骨組みは、フライホークのエッチング製です。
 
<探照灯>
 この時期の「金剛」の探照灯はすべて90cmです。
 ファインモールドの透明部品を使いました。
 尚、艦橋基部のものはレールを使って艦橋基部を貫通し、左右に移動させることができるようになっていました。
 また、大正3年、1914年10月および翌年に、それぞれ7.8番、1,2番探照灯を直径110cmのものに交換されています。

In 1913, all serchilights of Kongo was 90cm.
later in 1914, no.7and 8 lights and in 1915, 1st and 2nd lights were replaced to 110cm.

 <マスト>

 マストは途中までキット付属のレジン製の棒ですが、探照灯より上は真鍮線で自作しました。一番太いもので0.5mm、その上が0.4mmになっています。
 ヤード、ガフは0.3mm、0.2mmの真鍮線製です。

<主砲>

 砲身はレジン製のものが付属しますが、今回はアドラ―ズネストの真鍮製のものを使用。
 子砲の砲身は0,2mm真鍮線製です。
 砲塔天井につながるラッタルは写真では少なくとも背面・側面にはないことが確認できました。使う時だけはしごをかけていたのかもしれませんが、 ここくらいしか他にかけられそうな場所がないので、砲身の間にラッタルを設置しています。
 

main gun barrel is made of brass.
76,2mm gun barrels are made of 0.2mm brass lines.

<副砲>

 砲身もアドラーズネストの真鍮製のものを使用。

<機銃?>

 艦橋背面に見える機銃ないし速射砲?は、ファインモールドのプラ製のものを使いました。
 
<その他>

空中線・補強線は、モデルカステンのメタルリギング(鋼線)を使ってみました。
 煙突やマストの補強用の線は一番太い0.04mmを使い、信号旗掲揚用索などは0.15mm。その他の空中線等は0.08mmと使い分けています。
 前マストの信号灯は塗装で表現。
 艦首のエッチング製菊花紋章は凹モールドだったのがちょっと気になったのですが、うまく艦首の形状にフィットできるように曲げられました。スターンウォークのブルワークも キット付属のエッチング製です。
 この時代の戦艦の特徴である防雷網のビームは、0.3mm真鍮線製です。
 主錨は、ファインモールドインジェクションキットの物を使用しました。
 antenna cable is made of steel line.
 


Return to "battleship"