1/35 黒森峰パンターG後期型(TV版10話〜、劇場版)(宮沢模型・ライフィールド)
間違いなく性能面ではWW2最優秀戦車ですが、このアニメではモブ車両扱いです。
劇場版では小梅とパンター娘が乗っていました。
キットは2019年2月発売の700個限定商品で、フィギュア付きでだいたい2万円です。
内容はその値段にみあうだけのもので、キットの「量」自体がタミヤ製の5倍、部品点数は10倍以上でした。このキットを完成させるための労力は他のジャンルで言えば(すべてキットストレートと仮定)
・艦船模型:タミヤ1/350大和3隻
・ゾイド;ゴジュラスMK22個
・飛行機模型:タミヤ1/32零戦6機
・ガンプラ:PG Zガンダム
くらいに匹敵します。
また艦船模型のようにいちいち塗装してから組み込まないといけない仕様となっており、割愛できる部品も少ないです(さらに予備の部品は殆どなし)。
This kit costs about 6 times more than that of Tamiya, but weight of kit does do so, and number of parts are almost 10 times more.
Photo ethced parts and clear parts are included, too. so if one would buy additional parts to make panther, one had better buy this kit.
Inside gear box and plate to avoid water are exhibited too, but not capable to watch after assemby.
エッチングも付属しており、おまけとして本物のゴム製の予備転輪やハブ、2つだけですが鋼製転輪も付属しています。なぜか機銃弾の入った袋が大量に入っています。
本作は組み立てていくとまったく見えなくなってしまうギアボックス内のギアや砲塔接続部の雨水侵入防止板まで再現されていますので、クラッシュモデルを作る人にとっては夢のようなキットでしょうか。
エンジンもしっかり作り込まれており、バーリンデンから昔出ていたレジン製のマイバッハエンジンよりも出来がいいくらいです。今後マイバッハエンジンが欲しい人はこのフルインテリアキットを買うことをお勧めしたいです。
砲身も、ばねがしこんでありリコイルする仕様となっています(選択式)。
車体上面の吸気口はヒーターの有無を選択できるようになっています。
履帯は一体成型でガイドの穴まで再現されており、さらに可動いたします。モデルカステン製より若干厚みがありますが、おそらく今まで出たパンター履帯の中で最も楽に、かつ比較的高品質で再現されているパンター履帯でしょうか。
参考までに他者の組み立て式履帯を比較すると
・タミヤ後期履帯;不可動、ガイド穴なし
・タミヤ初期履帯;可動(クリッカブル)。穴ありガイド別部品
・タコム:不可動、穴のあいたガイド別部品、弱冠厚め
・モデルカステン;可動、ガイドだけ別部品
・ライフィールド:可動、一体成型、ガイド穴あり
・フリウル:一体成型、ガイド穴あり、ピン含めて全部金属製
となります。
Tracks are modeled by single parts, with hole on guide.only Fuliul,s model has same specification.
It is workerble after assembly.
透明部品のペリスコープや金属製トウケーブルも付属しています。後者は今回使用しませんでしたが。最初からアフターパーツを買う前提の人は今後このライフィールド製キットを買うことをお勧めしたいです。
もちろん作りやすさ・値段を考えると「パンター模型」の商品的価値はいまだにタミヤがベストだと思いますが、おそらく最もシェアを落とすのは反り等の欠陥の多いドラゴン製でしょうか。
このライフィールド製キットの最も感心した点は、「説明書にミスがない(メインの説明書は英語と中国語だけですが)」「ひけ・欠品等の欠陥がない」ことでしょうか。これらはなかなか国産キットでも難しいところです。
余談ですが、説明書の最後に書かれていた文章でライフィールドの本名が「香港麦畑模型」だと知りました。
本キット最難関過大は「透明部品の接着」でした。大抵の接着剤は気化する際に周囲に影響を与え、これが透明部品の「曇り」につながってしまいます。
そこで、飛行機のキャノピーや車のレンズを接着する際に使われる「クリアー接着剤」「エポキシ接着剤」等の出番となるとなるのですが、これらには「水あめのようで扱いにくい」「接着力が弱い(特に金属に対して)」という欠陥がありました。
本キットの場合、上にライトの乗っている左フェンダー基部のエッチングパーツを車体上部パーツと接着する必要があったため、この個所だけできるだけ曇らない瞬間接着剤で固定しましたが、やはり若干曇ってしまいました。
また本作は組み込んでしまうと非常に邪魔になる関係で、エンジン・砲塔の排気管を割愛してあります。
The most difficult point of making this kit was, how to attached parts on clear body.
Most of glues for models harms the clearness of parts, so specific glue was needed.
それでは各部位についてご説明を。
<砲塔>
砲塔はこれだけで200パーツ以上で構成されており、タミヤキットの倍くらいの手間がかかります。
砲塔下部と天井面をつなぐパイプも再現されており、ケーブルも金属線での再現が求められています。
薬きょう受けの金網もエッチングで再現されていました。
砲塔正面防盾と本体下部は屋根の部分を接着しない場合「いもづけ」なので強度が弱く、ここには自前で0.5mm真鍮線の骨を入れて固定いたしました。
Turret is consisted by around 200 parts, more than that of Tamiya kit.
<車体>
車体は殆ど見えなくなりますがダブルトーションバーやピストンが床面いっぱいに敷き詰められています。トーションバーの上におかれた電池の箱は中身を事前に塗装する必要があります。
完成後も実車同様のサスペンション機構が再現できますが、全部可動にしてしまうと重量で全部沈んでしまうので、一番前と後ろだけ固定いたしました。
車内容積ぎりぎりまで配置された砲弾は、ケースに入っているものはキットのものですが、露出している砲弾はタミヤ製の真鍮製砲弾に交換いたしました。全部で4セット消費しましたが、これでかなりの重さになります。元のキットで砲弾まで
真鍮製にしなかったのはこれが原因だと思いました。
尚砲弾はこのアニメの設定準拠の砲弾であるため実際の砲弾とは違う色に塗装いたしました。
車体上部にはドライバー・無線手のハッチやペリスコープが再現されています。とって類もかなりしっかり再現されていました。無線機も天井にくっつく形で再現されています。
ドライバー席のふっとペダルは、エッチングですべり止めまで再現されていました。
OVMとシュルツェン(横の板は付属せず)ステーは事前に組み立て・塗装を行ってから透明な車体に接着しなければいけませんでした。部品が透明であるため、接着位置を決めるのも難儀します。
今回はキットのままですが、クランプだけ交換してもいいと思います。
Inside the vheecle, ammos in the boxes are using original parts, and ammos appearing outside are replaced to Tamiya,s brass parts, they were quite heavy.
<黒森峰パンターの特徴>
・砲塔正面防盾は後期車両に特徴的な「あごつき」。でも左右にあるはずのフックがない(今回は再現)。
・フェンダーのはねあげ部は一体化されている?(ヤークトパンターとは異なる仕様)
・砲塔天井には毒ガス検知用の板はついていない。しかし簡易クレーンを取り付けるための基部(ピントル)はある。
・グリルに金網なし、ヒーターあり。
・背面に反射板はないようだ
・上部ドライバーハッチ左右にあるはずの、ハッチが車体にぶつけないようにするための木片がみあたらない。
・左排気管基部から伸びているはずの尾灯が車体にダイレクトに取り付けられている。
・後部牽引シャックルがない
・前部牽引シャックルはどうやら左右逆に取り付けられている(これでは履帯に干渉するのでありえない)
・対空機銃架はない。
尚、実車の車体左ライトのコードは、フェンダーの下をくぐって履帯の上の水平面にある穴から車内にのびてます。
フィギュアはドライバーが天井のペリスコープと干渉するので注意が必要です。
「ガルパン」ページに戻る