正規空母「蒼龍」(1/700 アオシマ)
IJN fleet aircraft carrier Soryu(Aoshima)
写真出典・参考文献:
ダイヤモンド社 「日本海軍艦艇写真集 航空母艦・水上機母艦」
潮書房 「丸スペシャル特別増刊号 軍艦メカ3 日本の空母」
光人社 「写真 日本の軍艦 別巻2 図面集」
KKベストセラーズ 「海軍艦艇史3 航空母艦」
防衛省図書館資料 D行動調書 「蒼龍飛行隊戦闘行動調書 昭和16年12月〜17年4月」
Refference:
Diamond sha "Pictures of IJN vessels Aircraft carriers and waterplane carriers"
Ushio shobo "Maru special warship mechanics japanese aircraft carrier"
Kojinsha "Pictures of Japanese warships expansion blueprints 2"
KK best sellers "History of japanese warships3 Aircraft carriers"
2009年11月発売の新しいキットを元に制作しました。
「蒼龍」は、模型作成に使えそうな資料が写真資料しか残っていない為模型にするのが困難なフネの一つですが、逆に言えばあとは想像で補える
ので他の船、特に蒼龍をベースに設計された飛龍の図面と写真を参考にしています。
I used Aoshima,s new kit released in nov.2009.
As there were only few source of Soryu remains, I mainly used photos and blueprints of Hiryu to estimate nunknown points.
<艦首>
艦首ブルワーク・フェアリーダーはプラ板にて新造。
アンカーはピットロードの重巡洋艦用部品セットの物を使いました。
Fairleads are made of plastic plate.
Anchor is made of plastic parts from Pitroad.
<舷側>
実は当初、ジャッキステーを実物同様浮かせて接着したのですが、くねくね曲がってしまい断念しました。
建造中の写真を見ると、アンカーセレスの真下にもジャッキステーがついていましたが、ひょっとしたら仮設のものだったのでしょうか?他の
写真では確認できませんでした。同様の箇所を空母「飛龍」の図面で確認すると、やはりアンカーの下は何もついていませんでした。なので、「飛龍」と
同様の感じにしてあります。
ジャッキステーは0.2mm真鍮線で造っています。
舷外電路は0.3mmのプラ棒で作ってあります。
このアオシマ製新キットの一番すばらしい点は、窓の上側の雨避け(通称;まつげ)まで再現されていることでしょうか。
サイズと模型としての見栄えを考えると0.4ないし0.5mmドリルで窓穴を開けていますが、0.5ではこの繊細な「まつげ」のモールドが
消えてしまいますので注意が必要です。
鉄板のつぎめはデザインナイフでけがいて表現しています。
jackstays are made of 0.2mm brass lines.
Degaussing cables are made of 0.3mm plastic lods.
The most splended point of this kit is window. there is water withdrawer on top of it.
I think one had better use drills smaller than 0.4mm to open window, to keep that withdrawer.
Seams are molded by knife.
<飛行甲板>
こちらもキット無改造でも申し分のない出来で、クレーン格納位置の板の継ぎ目だけがなぜか凸モールドになっていたのを凹モールドにした
こと以外はほぼ無改造です。艦首のカタパルト配置予定位置までモールドされていました。
ただ、飛行機係留穴はさすがに表現されていなかったので、実際の数より若干減らした数の穴を開けてあります(実際の数を表現しようと
なるとあまりに細かくてなんなのか見えにくくなります。実際私も数えた上で再現したことがありますが)。
飛行甲板ふちの雨水抜き穴は専用の部品もあったのですが、実際は非常に細いものなので塗装で表現しています。
飛行甲板を照らすデッキライトは写真で確認できるもの以外は「飛龍」のものを参考に設置しました。
Aircraft deck is not changed so much from the kit. only crane hold and mooring holes are added.
Water withdrawer on side is represented by paintings.
Decklights are recognized from remaining pictures and blueprints of Hiryu.
<艦橋>
艦橋は非常に良好な写真が一枚ある以外は殆どがぼやけた遠景のものしかありませんでしたが、ここもやはり「飛龍」の図面・写真と、「丸メカ」の
イラストがたいへん参考になりました。
「丸メカ」によると、艦橋前にある小さな塔のようなものにはサーチライトの管制機が置いてあったそうです。
アオシマの新キットで唯一不可解な「間違い」はこの艦橋トップで、どういうわけかブルワークが全周を覆っている状態になっています。
しかしここは写真で明らかなように、艦橋トップ・前方左舷側にはサーチライトが置いてあります。このため、真鍮板などでブルワークを正しい
位置に配置するなどの改造を行いました。
艦橋前にある2つのループアンテナは当初「飛龍」から推定しましたが、念のために確認したところかすかですが写真でその存在を確認することが
できました(同様に、艦橋トップにあるアンテナは伸縮式だったのか上まで伸びていることも確認できました)。
昭和12年11月に撮影された写真をよく見ると、艦首付近のフラットと、1番高角砲の横にアンテナ用と思われる桁が確認できました。
「飛龍」が装備していた逆方向からの着艦用と思われる信号灯は「蒼龍」も装備していたかどうかわかりませんが、試験中の写真にはそれらしきものは
確認できていません。
As there are only one good picture of bridge remains, the illustration from MARU MECHANICS were very useful.
According to MARU, the tower in front of bridge is the serchlight remort controller.
The only mistake of Aoshima,s kit is bullwarks on top of bridge. the top of kit is surrounded by bullwarks, but actually, there is
room for serchlight.
Roop antennas in front of the bridge was estimated first, but later was confirmed from picture taken from far.
Refert to photo taken during test sailing at nov.1937,it shows antenna bars on side of 1st AA guns and working platform.
<マスト>
メインマストと呼ぶべきなのでしょうか、艦橋背面にあるマストは起倒式で、これには比較的鮮明な写真が残っています。
「飛龍」と違い、マストにガフはなく、ヤードの少し上に信号灯が見えますので、これをさっそくファインモールドの新製品で表現してみました。
トラスの部品はなかなかちょうどよいサイズのものがなく、ゴールドメダル社のマストを若干切り詰めて作りました。
もうひとつのトラス構造のマスト(右舷後方)はファインモールドのマストを使用、あとは真鍮線で造っています。
I used photo etching parts from Finemold and Goldmedal, and brass lines.
<艦尾>
ここもよく写真資料を解析してるなあ、と思わせてくれる部位でした。昭和12年秋に呉工廠で撮影された写真を主に参考にしています。
ですが、さすがに支柱などの肉抜き穴を表現するのは無理なので、ここはファインモールドの穴あき板を利用してデコレートしています。
建造中の写真では艦尾信号灯はまだ設置されていませんが、試験中の写真で「飛龍」と同じ位置にあることがわかりました。
I mainly used photo taken during construction to refer.
signal lights are not installed on photo, but another photo taken during test sailing showed it as same as Hiryu.
<機銃>
連装機銃はファインモールドのエッチング製部品を使用。
カバー付機銃も当初ファインモールドの新製品を使おうと思ったのですが、サイズがあわないのでキットのそれの銃身だけ真鍮線にしたものを
使っています。
25mm twin machinegus are made of photo etched parts from Finemold.
I first wanted to use new Finemolds plastic parts of AA gun cover, but it did not fit. so I only changed gun barrels to brass lines.
<高角砲>
これもそれまでのものとは一線を画す(少し前に出た1/350のものは1/700のWL共通部品をそのままでかくしたものにすぎなかっただけに・・・)
よいもので、砲身と側面のリブ以外はそのまま使いました。
I only add enstrenght bars and gunbarrels on kit.
<艦載機>
<艦載機>
今回は防衛省図書館資料 D行動調書 「蒼龍飛行隊戦闘行動調書 昭和16年12月〜17年4月」を参考に、ハワイ空襲第一次攻撃隊の
編成で飛行甲板に飛行機を並べてみました。
この調書にはパイロットの氏名だけでなく、爆弾や機銃弾の消費まで書いてありました。
当日の編成は零戦21型が8機、九七式艦上攻撃機に800kgてっ甲爆弾装備が10機、魚雷装備が8機だったそうです。
模型はまだ在庫で残っていた透明キャノピーのものを生かすためにあえてそのままですが、実際の発艦作業中はキャノピーは開けた状態で発艦して
いました。これは、離艦に失敗して海に落ちたときにすばやく外に出られるようにするためでした。
また、「蒼龍」の九七式艦上攻撃機の塗装は「濃緑色に土色のまだら」だったそうですが、これは意図した迷彩ではなく、元々中国大陸の作戦を
想定して機体を土色(真珠湾で発見された実際の機体の塗装を見ると、一番近い色はダークアースでした)
に塗装していた上に緑色を塗装しようとしたものの、ペンキ不足になったせいでこうなったそうです。
蒼龍はまだいいほうで、飛龍はグレーの地が見えていたり、翔鶴にいたっては書類上は「無塗装」、実際はグレーの地にまだらでなんとか迷彩を
するという状態でした。機体全部を緑で塗る余裕があったか、もしくは新品の機体(最初から濃緑色)を用意できたのは第1航空戦隊の赤城と加賀だけでした。
Actual number and equipmenst ,names of pilots are recorded on JSDF library,s " report of Soryu,s aircraft team dec.1941-ap.1942".
The first attack team was 10 type zero ver.21, 10 type 97 "Kate" with 800kg bomb, and 8 "Kate" with topedo.
The "Kate" of Soryu looks like painted in green and dark earth, but that was not their purpose. they wanted to paint it in green, but
that was impossible due to lack of paintings. Kate was first painted in glay, then painted again to dark earth to use on Chinese front, and
painted again just before Pearl harbor attack.
Only Akagi and Kaga could manage to paint Kate in full greeen.
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