帝国海軍軽巡洋艦「天龍」(昭和5〜9年頃)(ハセガワ 1/700)
IJN cruiser Tenryu class Tenryu around 1930~34(Tamiya 1/700)



参考文献:
潮書房 「丸スペシャル」46 日本の軽巡
KKベストセラーズ 「日本海軍全艦艇集」
ダイヤモンド社 呉市海事博物館図録 日本海軍艦艇写真集「巡洋艦」


Reference:
Ushio shobo "Maru special"46 IJN Light cruisers
Kojinsha photograph of IJN vessels
Daiamond sha/ Kures naval museum "pictures of IJN vessels Cruisers"

1970年代の田宮製キットを元に制作いたしました。
<「天龍」「龍田」の変遷>
 両艦は誕生した時点ですでに旧式艦扱いだったためさほどいじられることなく、ほぼ創建時の状態のまま最期を迎えました。
目立った変更があったのは艦橋と武装です。
艦橋は、まず駆逐艦同様フレームの上にキャンバス張りだったものが、昭和5年頃艦橋を囲むブルワークが金属製になりました。さらに天井が固定天蓋となるのは開戦直前だったようです。
 この工事の際、「龍田」は艦橋ブルワークが前に傾斜する形になりました(天龍は垂直)。
 武装は、創建時は魚雷発射管はレールの上を左右にスライドさせる方式でした(キットはその状態を再現しています)が、さまざまなモーメントや傾斜のかかる艦上で この方式は現実的ではないとされ、昭和9〜10年頃に発射管をかさ上げすることで左右両方の舷側発射が可能なように改装されました。
 前マストも天龍は昭和5年頃、龍田は10年ごろ3脚に改造されました。
 創建時から艦尾に存在した8cm高角砲も創建時から最期まで存在していたようです。昭和12年頃、艦橋そばに13mm連装機銃が増設されたよう ですが、詳細は不明です。
 つまり、キットのまま作ると昭和8年ごろの状態になります。その場合、艦橋天井は白い防水キャンバスの色にしましょう。

This model is based on Hasegawa,s kit.

As Tenryu class was considered to be "outdated" from the beginning, they had little chance to remodify.
Bridgestructure has been changed several times. Tenryu got metal plate bullwark on the birdge in 1930, and got solid roof around 1940.Tatsuta got same bullwark around 1935.
Front mast was also remodified to tripod in 1930(Tenryu)and 1935(Tatsuta).
Only topedpo trower,s position is changed, because slide system was considered to be not practical.this change seems to be done around 1935.
Twin 13mm AA machineguns were add on around bridge before war ,but actual number and type are unknown,
 <「天龍」「龍田」の差異>

 この2艦の明確な差異は以下の通り。
艦首旗ざお:ステーが前についているのが天龍、後ろについているのが龍田。
煙突:「天龍」の第1煙突の蒸気捨て管は、中央付近で水平に曲がり、また上に上っている。
艦橋:羅針盤艦橋上の探照燈ブルワークが後ろに若干延びているのが「龍田」。改装後の「龍田」の艦橋ブルワークは若干傾斜している
後マスト:「天龍」は途中で2本つなぎ、「龍田」は一本。

following difference are seen on both ships.
Funnels: on the 1st funnel of tenryu, steam pipe are bowed on center of funnel to horizontal way, and bow again to upward again.
Bridge: Tatsuta,s bridge bullwark is inclined (around 1940).
Aft mast: Tenryu,s aft mast is tied 2 pipes, Tatsuta is single.
Flag bar; Tenryu,s support is installed on front. Tatsuta,s is installed on back.

<製作>

 さすがに古いキットだけに船体にはひけもみられ、窓穴も大きいためすべて一旦パテで埋めて成形しました。
 錨はファインモールドのプラ製部品に、アンカーチェーンは本物の鎖に交換。
 今回初めて、甲板上のリノリウム抑え金具を真鍮製エッチングパーツに置き換えてみました。
 艦橋前と4番砲塔の後ろにあるリール類はエッチング製部品とスプリングを組み合わせています。
 魚雷発射管を左右に移動させるレールは、0.3mm真鍮線製です。
 発射管・砲は、ピットロード製の部品に交換しました。
 マストも真鍮線に換装し、足かけを鋼線で取り付けています。
 マストを保持するケーブルと信号旗掲揚索は0.03mm鋼線製です。
 ボート・探照燈はファインモールド、内火艇・武装類はピットロードの部品セットを使用。1号爆雷用(対潜用ではない)の投下軌はファインモールドの駆逐艦用エッチングセットからもってきました。
 艦尾にある爆雷投下用プラケットはプラ棒を加工して作りました。
 艦橋はそのままではもっさりした塊になってしまうので、床面をプラ板で作り、艦橋内部をある程度再現しました。木製グレーチングはエッチング製格子をはりつけています。
 艦橋床の形状は、キットでは正面の平坦部から左右の張り出しにかけて一直線ですが、実際はおそらく50cmほどの側面と平行な面があったようで、そこに舷燈がついています。
 煙突は、蒸気捨て管やトップの雨水侵入防止装置を真鍮線で自作しています。
 四角い方位測定用空中線は0.2mm真鍮線で自作しています。
 空中線は0.015mm鋼線製で、ループ部分はエッチング製部品を使っています。
 艦尾の、実際は真鍮板で出来ている艦名板はピットロードから出ているデカールを使用しました。

As this kit is very old, I had to fill bunkers and windows on the hull by putty.
I replaced anchor to plastic parts from Finemold.
Brass parts for fasten linorium is from Goldmedal.
Guns and torpedos are from Pitroad.
Masts, antenna, yards,are replaced to brass lines.
I decided to remodify bridgestructure to make it open.
 
 
 
 
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