帝国海軍 特二式内火艇&海軍陸戦隊(昭和19年)(1/35 サイバーホビー)
IJN "Special boatvtype2"(1/35 cyverhobby)

特二式内火艇

  
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇

参考文献:大日本絵画「日本の軍装 1930〜1945」
学研 歴史群像太平洋戦史シリーズ25「陸軍機甲部隊」
     IRONSIDE INTERNATIONAL「大日本帝国陸海軍 軍装と装備」
  
 2011年発売のサイバーホビー(ドラゴン)製キットをベースに製作いたしました。
 同車両の初インジェクションキット、それも中華メーカーからと聞いてちょっと不安でしたが、たいへん組みやすいだけでなく、最近の同社製品同様のクオリティで、溶接痕もちゃんとモールドされていました。
 この車両は日本初にして世界的にも珍しい水陸両用車両で、上陸後内部からハンドル操作で前後のフロートを投棄して陸戦をする仕様になっていました。
 特筆すべきは、本車両は水深100mまで潜れる設計になっていたことでしょうか。これは、潜水艦に搭載しての運用を考えられていたためでした(ただ、潜行するためにはエンジンと電気系統を 一旦外す必要がありました)。
 問題なのは同車両の資料のなさで、文献資料をあさってみると、水陸両用車としての戦闘記録が 確認できるのは昭和19年12月の呉鎮守府特別陸戦隊所属の伊東戦車隊10両によるオルモック上陸作戦くらいで(「陸軍機甲部隊」にそのとき撮影されたと思われるベンチレーターがついたまま撃破された車両の写真があります)あったため、 昭和18年のクェゼリン島ないし19年のサイパン島のシチュエーションで造ってみました。同地に展開していた海上旅団が同車両を装備していましたが、フロートを付けずに純粋に陸上の車両として運用されたようです。
 尚、アメリカ側の記録ではオルモックでの戦闘は英文でたったの2行、「日本軍の水陸両用車が襲撃してきたが、撃退した」としか書かれていないそうです。 
 本車両の総生産数は184両、車両ではなく「船舶」という扱いで船籍簿に記録が残っています。



This model is based on Cyberhobby,s kit sold on 2011.
Codenamed after the manufacture, this anphibious tank was called "Ka-mi".
This vheecle equiped 2 froats on both front and back, and it was capable to throw away by hand after beaching.
Ka-mi was also capable to submerge up to 100m, that was due to tranceport by submarine.
But this vheecle had almost no chance to use as landing vheecle. only in dec. 1944, Kure,s special tank team had chance to use it on landing mission.
In other fronts like Kwezerin 1943, Saipan 1944, Kami was used as normal ground vheecle.
Total number of manufacture is 184, and Kami is kategorized as "boat", not "vheecle" ,so it is listed on documents as "boats".



<車両>
 本車両は「水陸両用車両」という特殊なものであるため、車体下部だけに砂と結晶化した塩をイメージしたピグメントを少し汚れに混ぜておきます。
 また、船舶のような下にたれる錆も「よくこすれて塗装がはげる箇所」を意識しながら入れています。
 サイレンサーは熱で自然と腐食するので、浮き錆を表現しています。
 キャタピラはキットのものの出来が良かったのでそのまま使いました(ちゃんと側面の穴まで抜けています)が、テンションのかかる場所では若干内側にへこんでしまうのが難点です。
 車両内部・ハッチ内側は、写真を見てみると白色だったようです。
 アンテナは全体のバランスを意識して敢えてつけませんでした。
 尚、車体左右についている突起は車両固縛用のもののようです。拘縛した写真も残っています。
 戦闘中ということで、砲弾の命中した痕などのダメージ表現をしたかったのですが、いかんせん本車両の装甲は厚さわずか12mm、つまり米軍の12.7mm機銃にすら耐えられないため、小銃弾の弾痕程度にとどめました。

 
 <フィギュア>
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
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特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇
特二式内火艇

 今回は車両に乗っているのはグレナディアモデル製の「日本海軍陸戦隊・2次上海事変時」を、周囲の兵士はマスターボックスの「日本海軍陸戦隊タラワ1943年11月」を使いました。
 グレナディアモデル製は2体でおよそ3千円もするだけに出来は大変よく、腕のネービーブルーに赤い交差した鎖の「官職区別章」や、円筒形の防塵メガネケースまで再現していました。
 背中には防毒面体(ガスマスク)とそのフィルターまで部品化されていました。コレは本来標準装備の品ですが、めったに前線では見ません。
 ただこの軍装、正確には昭和15年まで支給されていたものですので、昭和18ないし19年という時代背景ですと過去に支給された服を持っている補充兵ということになり、官職区別章の 「2等兵」にはあまりそぐわないのが難点です。
 マスターボックスのフィギュアは出来はそこそこですが、箱の裏の作例はまるで陸軍歩兵なので注意が必要です。イラストに関しては意外と間違いも少なかったです。
 敢えて挙げるとすると
・海軍軍刀の石突の形状が、儀礼長剣のそれになってしまっている(実際儀礼長剣を持って戦闘に臨んだ人もいらっしゃいますが)
・刀のストラップの位置がおかしい
・水筒の表面には普通所属ないし名前を書いてあるはず
・士官帽の黒い線はひと目で士官とわかるように二本描かれていなければならない
といったところでしょうか。
 よくある間違いですが鉄帽を被るとき、日本の兵士は基本的に「兜絞め」という唇の下のへこみまで固定するひもがきているのが普通です。コレも再現している模型はまれです。
 本作を造るに当たって、イメージソースと服飾的に参考として映画「太平洋の奇跡」を見たのですが、日本も米軍も時間の経過と共に服飾の色がどんどん単色になっていってしまっています。
 なので、模型としては比較的きれいな状態でないとおもしろみがなさそうです。
 他にも、戦争末期には陸海軍で装備品のちゃんぽんが進んでいたことを示すため、あえて1人だけ鉄帽を陸軍のものにしたりしています。
 また、兵士のシャツを一部水兵シャツ(白地に黒いふちが胸元から見える)を着せています。
 

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